2010年5月24日月曜日

Library Lion (邦題:としょかんライオン)

作:Michelle Knudsen(ミシェル・ヌードセン)
イラスト:Kevin Hawkes(ケビン・ホークス)
原書の初版:2006年

Library Lion
Library LionKevin Hawkes

Candlewick 2009-06-25
売り上げランキング : 9556

おすすめ平均 star
star円高だから洋書

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
としょかんライオン (海外秀作絵本 17)ケビン・ホークス

おすすめ平均
starsライオンと図書館長との心の絆
starsおはなしのスイッチON
stars考えさせられることがいっぱい
starsこんな図書館があったらいいのに・・・
starsニューヨーク公共図書館本館のシンボル君たちがモデル

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ある日、大きなオスのライオンがふらりと図書館にやって来ます。みんな最初はびっくりしますが、「大声を出したりしないという図書館のルールを守れば良い」という館長のメリウェザー女史のひと言で、ライオンは図書館を利用する人々の仲間入りをします。尻尾で本棚の掃除をしたり、子どもたちの背もたれになってあげたりとどんどん周囲の人々と打ち解けていくライオンですが、どうしてもルールを破らなければならない事態が起きてしまい…。

ライオンを主人公のキャラクターにしながらも、いわゆる「動物絵本」ではありません。いろんな出来事が起きるのはあくまで人間の世界。「人にとって大切なことは何か」ということをじんわりと考えさせてくれる絵本です。ライオンが図書館にやってくるという意表をつく冒頭、ライオンがルールを破ってしまった後の悲しい雰囲気、そしてエンディングへの持って行き方、そのどれもが見事です。比較的文字数の多い絵本ですが、3歳ぐらいから読み聞かせ出来ると思います(集中力が持たないようであれば、内容を一部端折りながらイラストをメインに楽しむこともできます)。

一歩間違えば荒唐無稽な話になってしまいそうな設定をリアルに感じさせてくれる構成と優しさに満ちたイラストのどちらもが一級品です。2006年初版とまだ新しい作品ですが、これから確実に絵本の「古典」となっていくことでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿