イラスト:Kevin Hawkes(ケビン・ホークス)
原書の初版:2006年
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としょかんライオン (海外秀作絵本 17) | |
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ある日、大きなオスのライオンがふらりと図書館にやって来ます。みんな最初はびっくりしますが、「大声を出したりしないという図書館のルールを守れば良い」という館長のメリウェザー女史のひと言で、ライオンは図書館を利用する人々の仲間入りをします。尻尾で本棚の掃除をしたり、子どもたちの背もたれになってあげたりとどんどん周囲の人々と打ち解けていくライオンですが、どうしてもルールを破らなければならない事態が起きてしまい…。
ライオンを主人公のキャラクターにしながらも、いわゆる「動物絵本」ではありません。いろんな出来事が起きるのはあくまで人間の世界。「人にとって大切なことは何か」ということをじんわりと考えさせてくれる絵本です。ライオンが図書館にやってくるという意表をつく冒頭、ライオンがルールを破ってしまった後の悲しい雰囲気、そしてエンディングへの持って行き方、そのどれもが見事です。比較的文字数の多い絵本ですが、3歳ぐらいから読み聞かせ出来ると思います(集中力が持たないようであれば、内容を一部端折りながらイラストをメインに楽しむこともできます)。
一歩間違えば荒唐無稽な話になってしまいそうな設定をリアルに感じさせてくれる構成と優しさに満ちたイラストのどちらもが一級品です。2006年初版とまだ新しい作品ですが、これから確実に絵本の「古典」となっていくことでしょう。
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